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2012年01月18日

神奈川県の震災瓦礫及び焼却灰受入れについて  

神奈川県の震災瓦礫及び瓦礫焼却灰受入れについて。
 
 
* はじめに、かなり長くなってしまったのですが
  とても大事なことなので、
  お時間ある時にでもご覧頂ければと思います。
face13
 

先週の日曜日、私が住む横須賀市大楠地区では
神奈川県の黒岩知事による震災瓦礫受入の為の
住民説明会が行われ、地区内の住民である私の元にも
お知らせが来たので仕事を終えてから参加して来ました。

なぜ、こんなピンポイントで行われたかというと
横須賀市には神奈川県で出る産業廃棄物の最終処分場があり、
それがこの大楠地区にあたる横須賀市芦名にある
「かながわ環境整備センター」なんです。
 
ここはもともと自然溢れる谷戸になっていましたが、
県内の逼迫していると言われていた産廃の最終処分場として
今から約6年前の2006年4月に開設されました。
もちろん話はもっとずっと前から出ており
その当時も町民内でも意見が対立し、自然を守りたい
という反対派の人達もいたわけで、その方達の努力により
県と町民の間で協定書が交されたそうです。
協定書は県と町民の間の大切な約束です。
 
その協定書では下記のような決め事があります。

• 他県からの廃棄物や一般廃棄物は持ち込めない。
 
あくまでも、神奈川県内で出た産業廃棄物のみの受入れ場として
町民が最終的に仕方なく同意するしかなくてできた施設です。
 
誰だって、何が入っているかわからないようなゴミが
自分ちのすぐ近くにやってくるのなんて嫌ですよね?
ましてや県外のものは何が入っているのかわかりません。
しかもたくさんの自然を犠牲にし続けるんです。
地元の人たちはその自然の中で生活を賄い、
暮らしています。
 
 
今回の震災瓦礫受入に関して、住民は県知事に
この協定書の存在を知っているのかどうか問いました。
その経緯などについても。
県知事はその存在自体は知っていると言われていましたが
実際どこまで知っているのか、その経緯なども知っているのか
その時点ではわかりませんでした。icon11
 
だけど言われた言葉は、震災瓦礫を受け入れるにあたっては
まずはその協定書の改定をお願いするしかない。ということ。
 
県知事は、今回の受け入れに関しては、
地元の皆さんの同意なくしては前に進まないと言われていました。
だけどあくまでも誠意をもってお願いするしかないと言いました。
 
その言葉や言い方は受け入れることしか結論がないように
私には聞こえてしまいました。
 
 
 
今回、この住民説明会は対象地域以外の人は入れない
とても限定的なものでした。地域のコミュニティセンターで
小さめの会場です。準備されていたのはわずか300席。
当日集まったのはその倍近い500人以上の人が集まりました。
各テレビ局などの報道陣もたくさん来ていました。icon10
 
そこに集まった住民のほとんどがもちろん反対の人達です。
賛成や諦めてる人達はわざわざ日曜日の夕方からやる説明会に
来ようとも思わないだろうし、そもそも住民に知らされたのも直前で、
どの位の人が知っていたのかって感じです。
行きたくても行けなかった人もたくさんいたかもしれません。
が県知事さん達もそんなに集まるともしかしたら
思っていなかったんじゃないでしょうか?

 
私も少し早めに行ったつもりでしたが
なんとかギリギリ会場内に入れたって感じです。
メイン会場に入れなかった住民はとなりの部屋でモニターを
通して話を聞くことしか出来ず、なのにそれすらうまく設備が
まわっていなかったようで、モニターが映らないとかマイクが
入らないとか、メイン会場でも実際スタート時間になってから
マイクテストを始めるとか準備不足もひどく
更に住民の怒りをかっていました。face04
お陰で初め場内はかなり騒然としており、
怒りが抑えきれない住民たちからは
野次もたくさん飛び交っていました。
 
 
そもそも今回なんでこんなにも問題になっているのか?
 
おそらく直接の地域の人じゃない方の中には、
県外のものだってこんな時なんだから受け入れてやれよって
思っているかもしれません…。
もしかしたら地域の方の中にもそう思われている方も
いるのかもしれません。
未曾有の大震災により出た震災瓦礫は通常の10年分以上と
言われています。被災地にはまだまだたくさんの瓦礫があり、
それが無くならないとなかなか復興に進めない。
だからそれを日本中でうまく振り分けて、負担しましょう。っていう事です。
その意図はもちろんわかります。
 
だれもが一日も早い東北の、日本の復興を願っています。
 
だけど、今回の瓦礫はただの瓦礫じゃないんです。
放射能汚染されている可能性が十分にあるものなんです。
 
 
県は言います。
 
「今回の震災瓦礫は1kgあたり100ベクレル以下のもの。
1kgあたり100ベクレル以下は
《核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律》
により100ベクレル以下は放射性物質としては取り扱わない
今回はそれに限定する。だから安全なんです」
と。
 
 
あははっicon10って感じです。
もうそんな事に何度も騙されるような私達じゃありません。
 
例えば1kgあたり100ベクレルだと放射性物質とはみなさないけど、
101ベクレルになったら放射性物質になるんです。
たった1ベクレルの差でも変わってくるんです。
これは国が食品などに関して暫定基準値で出してたのと一緒です。
500ベクレル以上はダメだけど、499ベクレルなら下回っているから
出荷していいんかい。って事です。

すでに私たちは世界で初めての大規模な原発事故により
外部内部含め、少なからず今も被ばくし続けています。
 
 
現在、震災瓦礫は県内の横浜、川崎、相模原市の3箇所
焼却の予定がされています。
今回、この横須賀の最終処分場に届く予定のものは
その震災瓦礫を焼却した後の焼却灰です。
ご存知の方も多いと思いますが、焼却する事で
放射能は濃縮されます。その数約33倍と言われています。
(一説では100倍とも)
今回、横須賀に持ち込まれようとしている焼却灰は
想定1万トン
しかも今回のその計測はあくまでも焼却前の瓦礫の状態で
放射能の測定をするそうです。
仮に焼却前の時点で1kgあたり100ベクレルだとしても
33倍で想定すると灰になった時点で1kgあたり3300ベクレル。
 
それが1万トン集まって来たら、数字の苦手な私には
難しいけど、330億ベクレルになる可能性があります。
もちろんそれ以下かもしれないし、それ以上の可能性もあります。
 
そうなったら完全に放射性物質です。
もしくは放射性物質廃棄物です。
本来なら厳重に管理されなきゃいけないものなんです。
 
もちろん、全ての瓦礫が汚染されているとは限りません。
だけど汚染されているものは確実にあるし、場所に
よってはとても高い汚染度のものも混ざるとおもいます。
ヨウ素やセシウム以外の簡単に計測できない
プルトニウムやストロンチウムやいろんなものが
付いているやもしれません。
それが混合されて中和されたとしても、放射能は決して消える
もんじゃないんです。
おそらく焼却時、一部の放射能は気化されて大気中に出るでしょう。
だから焼却することで県内の空間線量も高くなる可能性だってあります。
そうなると、私達も今まで以上に気にして生活しなきゃいけません。
夏でもマスクをしなきゃいけなくなるかもしれません。
 
焼却灰は現在予定されているのは、他の産業廃棄物と同じように、
よく建築現場で使われているようなフレコンバッグに入れられ、
埋められるそうです。
実物を県知事が見せてくれたのですが、それをみて
会場一同びっくりしました。笑いが起きたくらいです。
「こんなのに入れるの?」っていうくらいそれを入れるには
余りにも頼りない素材です。
(ちなみにフレコンバッグとはこちら)。
 
もちろん、ただの汚泥などを入れるなら十分なんでしょうが、
今回は放射能汚染されている可能性が極めて高いものなんです。
実際会場にいた建築関係の方は、
フレコンバッグを何度も使っているけど、何年かしたら破れます。
って言っていました。私も絶対破れると思います。
普通にしててももって10年?ってとこでしょうか。
皆さんの中にも実際破れたのを見たことある人がいると思います。
もちろん、どのメーカーでどんなものなのか、耐久性がどのくらい
チェックされているものかにもよって変わってくるかと思いますが、
その返答はもちろんその場ではなく、そこまで決まってない様子。
にしてもです。それじゃあ心配でなりません。face10
 
 
この環境整備センターはたくさんの自然を犠牲にして
出来た大きな施設ですが、埋めたて方法はいたってシンプル。
一番に下に遮水工(シート、粘土、コンクリート)を敷き、
その上に保護土を被せ、その上に産業廃棄物を埋めていきます。
 
そして今回はその上に50cm以上の土壌層を設けて
焼却灰の入ったフレコンバッグを置いていく。
高さでいうと焼却灰は3m以下だそうですが、
サイド面は土壌で固め、一番上にはまたシートを被せ
最終的にはまた土で覆って、
ここの一番最終目的は道路になる予定だそうです。

確かに埋めちゃえば空間線量はそんなに上がらないと思います。

ただし、一番下の地盤面は、去年ニュースでも話題になった
三浦半島活断層群が思いっきり横切っています。
 
 
それも含め、これが震災がれき焼却灰を受け入れるための
十分な施設なのでしょうか?

コンクリートだってヒビが入るって知ってますよね?

 
ただでさえ、産業廃棄物の中にはアスベストなどの
有害物質も含まれています。
そこに今回さらに放射性物質と化した焼却灰が
入ってこようとしています。
地盤面に面したゴムシートだって、破れてしまうような
素材のものです。完全防護なんてありません。
 
例えば、それらが地震などの影響により破れ、
中の成分が漏れれば、周りの土壌を通じ、
近くの川が汚染され、そのまま海に通じているので
海が汚染され、プランクトンが汚染され、
それを食べる魚たちが汚染され、さらにそれを食べる
私たち人間が汚染されていきます。
 
同じく先週の日曜日の夜、NHKでタイムリーにも
海の汚染の実態を教えてくれたドキュメンタリーが
やっていましたね。観た人も多いと思います。
それでは群馬県の赤城大沼をはじめ、川をつたい
東京湾ですら汚染が始まっています。
今はまだ魚への汚染は少ないようですが
東京湾の汚染が一番広がるのは
これから2年2か月後だそうです。
そしてそれは10年以上続くそうです。

海の汚染、魚の汚染率は野菜などより全然高そうです。
 
江戸前寿司、いつまで食べれるでしょうね?
 
それも風評被害というのでしょうか??
 
 
話がそれましたが、三浦半島は本当に多くの自然と
おいしい野菜や新鮮な魚介類がたくさんあります。
だから私も大好きです。
 
それらの食材は神奈川県内をはじめ、今では全国に
地元の特産として皆さんのもとへ届けられています。
 
だけどもしそれらが本当に汚染されてしまったら??
 
地元では多くの人が農業や漁業で暮らしています。
その人たちの暮らしはどうなってしまうのでしょう??
 
私も震災直後は地元の野菜が大丈夫なのかとても心配でしたが
現在ここで野菜の放射能測定をしてくださっている方もおり
私はそういうのをみて今のところまだ大丈夫かなって思って
使っています。
だけど、このままではもしかしたら本当にいづれ
使えなくなるかもしれません。
 
それが本当に風評被害なのか、実害なのか??
 
今、私たちはその瀬戸際にいます。
 
私がまたこんなこと書くと風評被害を招くとか
思われちゃうかもですが、実害を増やしたくないんです。
本当の風評ならきっと証明できるし、取り戻せるはず。

 
ただでさえすでに放射能を心配して
この土地を離れた人たちもいます。
特に小さいお子さんを抱えるご家庭で
そういう意識の高い方たち。
自然の中で暮らしたいのに、反するものが
あるのでは仕方ないですよね。

今回の今の条件のままの受け入れではきっともっと
若い世代の住民の流失は進んでしまうかもです。
 
 
個人的な意見としては、もちろん受入れには反対ですが、
以前ブログにも書いたように横須賀市には
核燃料の製造会社があり、それは福島原発にも
残念ながら使われているので、ある意味責任があると
思います。少なくともそこで雇用も生まれているだろうし。
きっとなんかしらの恩恵も受けているのかもしれません。
そういう意味ではその核のゴミも受け入れなきゃ
いけないのかもと思います。
作ったけどあとは知らないよ。じゃすまされないものです。
だけど、きっとそれだって市民みんなが納得していた
わけじゃないと思います。
もちろん、それは横須賀市限定でなく神奈川県としても
同じです。市民、県民はどこまで知らされていたのか?
 
だからこそ、今回の震災瓦礫及び焼却灰の受入れは
そんな簡単に決めてはいけないと思うし、
みんなでどうしたら一番いいのか、そういうことも含め
本当によくよく考えなきゃいけない問題だと思います。
確かに一刻も早い復興は願いたいけど、
後からじゃもう遅いんです。

もちろん黒岩知事もそのつもりでいてくれていると
思いますけど。。。 
 
現在神奈川県以外でも、この震災瓦礫を受け入れようと
している場所がいくつかあります。
本当にそれがいいことなのか。
利権やお金に縛られていませんか??

 
この地域以外の人にも、自分たちの問題として
是非一度考えてほしいなって思います。
 
そしてその声をどういう形ででも届けてほしいと思います。
 
もちろん、それでも賛成の人もいるかもしれません。
反対の人もいるかもしれません。
 
どちらが正しいとか、正しくないとかじゃなくて
無関心にならずにまず考えて行動することから
日本を、未来を変えていく一歩になるんじゃないかと思います。

皆さんはこの件についてどう思いますか? 



現在、神奈川県の震災瓦礫受入れに関しては 
 
横須賀市では今月20日(金)午後7時から
横須賀市立総合福祉会館で
1月30日(月)午後6時30分からは神奈川県庁

 
「黒岩知事との対話の広場」が開催が予定されています。
 
直接行けない方も、ぜひ意見を電話やメール、FAXなどで
思いを伝えましょう!!
 
 
神奈川県庁ホームページ

問い合わせ先
神奈川県 環境農政局 環境保全部 廃棄物指導課

電話 (045)210-1111 内線4157~4163

 
 
 
 
 いつもに増して長くなりすみません。。

ご覧いただきありがとうございました。<(_ _)>


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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Posted by kurumi at 13:32 │環境問題